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SDGs時代のリユース市場が拡大中|買取業界の最新トレンドと消費者意識の変化

SDGs時代のリユース市場が拡大中|買取業界の最新トレンドと消費者意識の変化【2026年版】

フリマアプリもリサイクルショップも、もはや「当たり前」のインフラになった2026年。国内リユース市場は4兆円規模に迫る勢いで伸び続けています。背景にあるのはSDGs意識の定着だけではありません。物価上昇による節約志向、デジタルプラットフォームの進化、Z世代の価値観の変化が重なり合っています。この記事ではリユース市場の最新データと買取業界のトレンド、消費者意識の変化を整理しました。

この記事でわかること

  • リユース市場の規模推移と2030年の予測(4兆円到達シナリオ)
  • SDGsがリユース市場にもたらした構造的な変化
  • 買取業界の5つの最新トレンド(2026年版)
  • 消費者意識の変化を示す世代別・行動別データ
  • メルカリセカンドストリートバイセルなど主要企業の動向

リユース市場は14年連続成長、4兆円時代が目前に

リサイクル通信(現・リユース経済新聞)の調査によると、2023年の国内リユース市場規模は前年比7.8%増の約3兆1,227億円を記録しました。これは2009年の調査開始以降、14年連続での市場拡大です。

リユース市場規模の推移

年度市場規模前年比
2019年約2兆3,000億円
2020年約2兆4,000億円+約4.3%
2021年約2兆7,000億円+約12.5%
2022年約2兆9,000億円+約7.4%
2023年約3兆1,227億円+約7.8%
2025年(予測)約3兆5,000億円
2030年(予測)約4兆円

2025年には約3.5兆円、2030年には4兆円規模に到達すると予測されており、2026年はまさに「4兆円時代を目前に控えた転換点」に位置しています。

成長を支える3つの構造的要因

リユース市場の持続的な成長には、短期的なトレンドではなく構造的な要因が存在します。

第一に、デジタルプラットフォームの普及です。メルカリの月間利用者数は2,000万人超の水準で推移しており、フリマアプリが「生活インフラ」として定着しました。スマートフォン1台あれば誰でも不用品を売れる環境が整い、市場への参入障壁は大幅に下がっています。

第二に、物価上昇と節約志向の高まりです。インフレが続く2026年の経済環境において、「新品を買うより中古で賢く」という消費行動が全世代に広がっています。

第三に、SDGsの浸透です。「使い捨て」から「長く使う」「次の人に渡す」へ。循環型消費の考え方が社会に根付き、リユースに対する心理的なハードルが一気に下がりました。

SDGsがリユース市場に与えた影響

SDGsとリユースの関係

国連が掲げるSDGs(持続可能な開発目標)の17目標のうち、リユース市場と直接関連するのは主に以下の3つです。

目標12「つくる責任 つかう責任」は、持続可能な生産と消費の推進を掲げており、リユースはその中核をなす取り組みです。不用品を廃棄せずに再流通させることで、資源の無駄を削減できます。

目標13「気候変動に具体的な対策を」も関連しています。新品の製造には大量のエネルギーと資源が必要ですが、リユース品の活用によりCO2排出量を削減できます。

目標11「住み続けられるまちづくりを」については、地域のリユースショップやフリーマーケットが地域経済の活性化と廃棄物の削減に貢献しています。

企業のSDGs取り組みがリユース市場を拡大

一次流通企業(メーカーや小売店)の二次流通への参入が加速しています。ユニクロの「RE.UNIQLO」プログラム、パタゴニアの「Worn Wear」、イケアの「Circular Hub」など、メーカー自身が中古品の回収・再販に乗り出す動きが目立ちます。

自治体との協業も進んでいます。不用品の回収ボックスの設置や、リユースイベントの共催など、リユース企業と自治体のパートナーシップが全国で広がっています。ブックオフや2ndSTREETは複数の自治体とリユース促進の協定を締結しています。

買取業界の5つの最新トレンド(2026年版)

トレンド1:AI査定の本格普及

買取業界ではAI(人工知能)を活用した査定システムの導入が加速しています。スマートフォンで商品を撮影するだけで概算価格がわかるAI査定は、消費者の利便性を高めるとともに、買取業者の人件費削減にも貢献しています。

バイセルテクノロジーズは独自のAI査定システムを導入し、ブランド品の真贋判定と価格算出を自動化しています。なんぼやを運営するバリュエンスホールディングスも、AIを活用した在庫管理と価格最適化を進めています。

トレンド2:越境リユースの拡大

日本の中古品は品質の高さから海外で高い評価を受けており、越境EC(海外向けオンライン販売)を通じたリユース品の輸出が伸びています。特にアジア圏(中国、東南アジア)での日本製中古品への需要は旺盛で、ブランドバッグ、腕時計、カメラ、アニメグッズなどが人気カテゴリです。

コメ兵はグローバルオークション事業を展開し、海外バイヤーへの販売を強化しています。メルカリもUSやUKでのサービス展開を通じて越境取引の拡大を図っています。

SDGs時代のリユース市場が拡大中|買取業界の最新トレンドと消費者意識の変化【2026年版】

トレンド3:ホビー資産市場の急成長

トレーディングカード、フィギュア、アニメグッズ、レトロゲームなどの「ホビー資産」への投資・収集熱が高まり、家庭内に眠っていたコレクション品が市場に供給される動きが加速しています。

まんだらけ駿河屋カードラッシュなどの専門買取店に加え、総合リユースショップもホビーカテゴリの取扱いを強化しています。セカンドストリートはトレカ買取コーナーを全国の店舗に順次導入しており、ブックオフもホビー商材の買取価格を引き上げています。

トレンド4:インバウンド需要の回復

訪日外国人観光客の回復に伴い、中古ブランドショップへのインバウンド需要が再び活発化しています。特に銀座、心斎橋、新宿などのエリアにある買取・販売店では、外国人観光客向けの免税対応や多言語サービスが標準化されつつあります。

円安も追い風となっており、海外の消費者にとって日本での中古ブランド品の購入は「お得感」が強い状況が続いています。

トレンド5:データ駆動型の在庫管理と価格設定

リユース商品は一点物であることが多く、在庫管理と適正価格の設定が経営上の課題でした。しかし、クラウドPOSシステムやデータ分析ツールの普及により、過去の取引データに基づいた動的価格設定(ダイナミックプライシング)が可能になりつつあります。

MOOVやReCOREといったリユース特化型のクラウドPOSシステムは、複数販路への同時出品、相場連動の自動価格調整、在庫回転率の可視化などの機能を提供し、リユース事業の効率化を支えています。

消費者意識はどう変わったのか?

全世代に広がるリユース利用

かつてリユースは「節約のための手段」というイメージが強く、利用者は主に若年層や価格感度の高い消費者に限られていました。しかし2026年現在、「使わないものを売り、次に欲しいものの資金に充てる」という循環型消費が全世代に定着しつつあります。

世代別のリユース利用動向

世代主な利用チャネル利用動機特徴
Z世代(10代後半〜20代)メルカリ・フリマアプリサステナビリティ・トレンドリユースに抵抗感なし、古着文化
ミレニアル世代(30代)メルカリ・宅配買取子育て用品の循環・節約ベビー用品やキッズ服の売買が活発
X世代(40代〜50代)リサイクルショップ・出張買取終活・断捨離高額品(貴金属・ブランド品)の売却
シニア世代(60代以上)出張買取・店頭買取遺品整理・生前整理訪問買取サービスの需要大

Z世代にとって中古品を買うことは「エコでおしゃれな選択」であり、セカンドストリートやヴィンテージショップでの古着購入はファッションの一部です。一方、シニア世代では終活や生前整理の一環として出張買取を利用するケースが増えています。

「もったいない」から「賢い選択」へ

日本には古くから「もったいない」という文化がありますが、リユース利用の動機は「もったいないから」だけではなくなっています。環境省の調査によると、リユース品を購入する理由として「価格が安いから」に次いで「環境に良いから」「品質の良い中古品が手に入るから」が上位にランクインしています。

「安いから中古を選ぶ」から「賢いから中古を選ぶ」へ。この意識の変化が、リユース市場の息の長い成長を支えています。

主要リユース企業の動向(2026年)

メルカリ

国内フリマアプリ市場でシェアトップを維持。月間利用者数は2,000万人超の水準で推移し、累計出品数は30億品を突破しています。メルカリShopsによる法人出品の拡大や、メルカリハロ(スポット仕事マッチング)など周辺サービスの成長も目立ちます。

ゲオホールディングス(セカンドストリート)

全国900店舗以上を展開するセカンドストリートは、衣類・ファッション小物の買取実績で国内トップクラスです。海外店舗の出店も加速しており、台湾、タイ、マレーシアなどアジア圏での展開を進めています。

バイセルテクノロジーズ

出張買取のリーディングカンパニーとして、着物・貴金属・ブランド品を中心に買取実績を伸ばしています。東証グロース市場に上場しており、AI査定システムの開発やCX(顧客体験)の向上に投資しています。

コメ兵ホールディングス

名古屋発のブランドリユース大手で、実店舗とオンラインの双方で事業を展開。グローバルオークション事業やBtoBプラットフォーム「KANTE」の運営を通じて、越境リユースの拡大を図っています。

ブックオフグループ

本・ゲーム・CD・DVDの買取で知られるブックオフは、近年はアパレル・ホビー・スポーツ用品などのカテゴリ拡大を進めています。「BOOKOFF SUPER BAZAAR」の大型店舗では、家電から楽器まで幅広い品目を取り扱っています。

リユース市場の今後の課題

人手不足への対応

買取業務には商品知識と鑑定スキルが求められますが、人材の確保が業界全体の課題です。AIやデジタルツールの活用による業務効率化が進められていますが、高額品の真贋判定や顧客対応には依然として人的スキルが不可欠です。

偽造品の流通防止

フリマアプリの普及に伴い、偽造品(コピー品)の出品が問題となっています。メルカリはAIによる偽造品検知システムを導入し、出品段階でのフィルタリングを強化していますが、巧妙化する偽造品との「いたちごっこ」が続いています。

環境配慮のさらなる深化

リユース自体が環境に優しい行為ではありますが、梱包材の使用や配送に伴うCO2排出など、改善の余地はあります。梱包材の再利用や配送の最適化、店舗での再生可能エネルギーの導入など、リユース事業そのものの環境負荷低減が今後のテーマとなっています。

SDGs時代のリユース市場が拡大中|買取業界の最新トレンドと消費者意識の変化【2026年版】

よくある質問(FAQ)

Q1. リユース市場はいつまで成長が続きますか?

複数の調査機関が2030年までの成長継続を予測しています。デジタルプラットフォームの進化、サステナビリティ意識の定着、高齢化に伴う遺品整理・生前整理需要の増加など、成長を支える構造的な要因が複数存在するためです。ただし、成長率は鈍化する可能性があり、市場が成熟期に入ると企業間の競争が激化することが予想されます。

Q2. フリマアプリと買取業者、市場ではどちらが大きいですか?

CtoC(個人間取引)のフリマアプリ市場とBtoC(業者対個人)のリサイクルショップ市場は、いずれもリユース市場全体の成長に貢献しています。2023年時点ではCtoC市場が急成長を見せていますが、実店舗型のリユース企業も堅調な成長を維持しており、相互補完的な関係にあります。

Q3. SDGsを意識してリユースを始めたいのですが、何から始めればよいですか?

最も手軽なのは、メルカリやラクマなどのフリマアプリで不用品を出品することです。衣類や本など身近なものから始めて、徐々に範囲を広げていくのがおすすめです。購入側としても、新品の代わりにリユース品を選ぶことでSDGsに貢献できます。

Q4. リユース品を購入することに抵抗がある場合はどうすればよいですか?

衛生面が気になる方は、洗浄やクリーニング済みの商品を扱っているリユースショップを選ぶと安心です。セカンドストリートやトレジャーファクトリーなどの大手チェーンは、商品のクリーニングと品質チェックを徹底しています。また、本やゲームソフト、家電など、直接肌に触れない商品から始めるのも一つの方法です。

Q5. 日本のリユース市場は海外と比べてどの程度の規模ですか?

日本のリユース市場は世界的に見ても大きな規模を誇っています。日本特有の「もったいない」文化や、品質の高い中古品が豊富に存在することが市場の拡大を支えています。特に日本の中古ブランド品は海外からの信頼が厚く、越境ECを通じた輸出が増加しています。

Q6. 買取業界で働くにはどのようなスキルが必要ですか?

ブランド品の真贋判定スキル、相場の知識、接客コミュニケーション能力が基本的に求められます。近年ではAIツールの活用やデータ分析のスキルも重視されるようになっています。リユース転職(専門転職サービス)などの求人サイトで、業界特有の職種や求められるスキルを確認できます。

Q7. リユース市場の拡大は新品市場にマイナスの影響を与えていますか?

一概にマイナスとは言えません。リユース品の購入で節約した資金が新品の購入に充てられるケースも多く、リユース市場と新品市場は必ずしもゼロサムの関係にはありません。また、ユニクロやパタゴニアのように、自社製品の二次流通を積極的に支援するメーカーも増えており、循環型ビジネスモデルとして両立する方向に進んでいます。

まとめ

リユース市場は2023年に3兆円を突破し、2030年の4兆円到達が視野に入っています。SDGsの浸透、デジタルプラットフォームの進化、物価上昇による節約志向。そしてZ世代からシニア世代まで全世代がリユースを「賢い選択」と認め始めたこと。これらが重なって市場は伸び続けています。AI査定、越境リユース、ホビー資産市場の拡大など、買取業界のトレンドもめまぐるしく動いています。不用品を「ゴミ」ではなく「資源」として次の人に渡す。その発想が、2026年の消費者にとってはもう特別なことではなくなりつつあります。

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