
ご家族が亡くなった後の遺品整理では、膨大な品物を前にして途方に暮れることがあります。何に価値があるのか分からず、貴重な品を捨ててしまうケースも少なくありません。本記事では、遺品のなかから価値のある品物を見分けるポイントと、適正価格で買い取ってもらう方法を、2026年最新の情報をもとにまとめました。
目次
遺品整理で高く売れるものは何か
遺品のなかには、見た目からは価値が分かりにくいものの、専門家が査定すると驚くほどの金額がつく品物が含まれていることがあります。まずは、買取対象になりやすい品目を把握しておきましょう。
貴金属・ジュエリー
金(ゴールド)、プラチナ、銀のアクセサリーは、遺品のなかでも高価買取が期待できる代表格です。指輪、ネックレス、ブレスレット、ブローチ、カフスボタンなど、故人がお持ちだったジュエリー類は必ず確認してください。素材そのものに国際相場に基づいた価値があるため、デザインが古くても、多少の傷があっても一定の価格で取引されます。
2026年4月現在、金の買取価格は1グラムあたり2万6,000円〜2万8,000円台と歴史的高値圏で推移しており、金のアクセサリーを売却するには非常に有利な時期です。
腕時計
ロレックス、オメガ、カルティエ、グランドセイコーなどの高級時計は、状態次第で数十万円から数百万円の買取額になることがあります。動かなくなった時計であっても、モデルによってはパーツとしての価値が認められ、買取対象になります。
骨董品・美術品
掛け軸、茶道具、陶磁器、日本画、油絵、彫刻、仏像、刀剣などは、専門の鑑定士による査定が不可欠な品目です。素人目には価値が分からなくても、著名な作家の作品であったり、時代的に貴重なものであったりする可能性があります。
ブランド品
ルイ・ヴィトン、シャネル、エルメス、グッチなどのバッグ、財布、衣類は、中古市場で根強い需要があります。箱や保存袋、ギャランティカード(保証書)が残っていれば、査定額がさらに上がります。
その他の高価買取品目
着物(特に大島紬、結城紬、友禅などの作家物)、カメラ・レンズ(ニコン、キヤノン、ライカなどのヴィンテージ品)、切手・古銭コレクション、レコード(特にジャズやシティポップの初版盤)、楽器(ギブソン、フェンダー、マーティンなどのヴィンテージギター)、酒類(未開封のウイスキー、ワイン)なども高額で取引されることがあります。
価値があるものの見分け方
専門家でなくても、いくつかのポイントを押さえれば、価値がありそうなものを大まかに判別できます。
貴金属の見分け方
金やプラチナのアクセサリーには、多くの場合「刻印」が施されています。以下の刻印があるものは買取対象になる可能性が高いです。
- K24、K18、K14、K10(金の純度を示す刻印)
- Pt1000、Pt950、Pt900、Pt850(プラチナの純度を示す刻印)
- SV925、SILVER、STERLING(銀の刻印)
- 750(18金を示す数値刻印)、585(14金)、375(10金)
刻印はリングの内側やネックレスの留め金部分に刻まれていることが多いです。ルーペや虫眼鏡を使って確認してみてください。
骨董品・美術品の見分け方
以下に該当するものは、専門家に鑑定を依頼する価値があります。
- 桐箱に入っている陶磁器や茶道具
- 箱書き(箱に作者名や作品名が書かれている)があるもの
- 落款(作家のサインや印章)がある掛け軸や絵画
- 裏書きや鑑定書、来歴を示す書類が残っている作品
- 見た目に年代を感じるもの(経年変化による味わいがあるもの)
特に桐箱に入っているものは、保管に気を配られていた証拠であり、価値が高い可能性があります。
ブランド品の真贋チェック
ブランド品の価値を見分けるポイントとしては、シリアルナンバーの有無、縫製の丁寧さ、金具のロゴ刻印、ファスナー(YKK、riri、Lampoなど)の品質を確認します。付属品(箱、保存袋、ギャランティカード、購入時のレシート)が揃っていれば、買取額が10%から30%アップすることがあります。
遺品の買取相場の目安
| 品目 | 買取相場の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| 金のネックレス(K18、20g) | 28万円から32万円 | 2026年の金相場を反映 |
| プラチナリング(Pt900、10g) | 4万円から5万円 | 宝石付きはさらに上乗せ |
| ロレックス デイトジャスト | 50万円から120万円 | モデル・年式・状態による |
| オメガ スピードマスター | 20万円から60万円 | ムーンウォッチは高値 |
| 掛け軸(有名作家) | 1万円から100万円以上 | 作家と状態による |
| 茶道具セット | 5,000円から50万円 | 作家物は高額 |
| ルイ・ヴィトン モノグラム バッグ | 3万円から15万円 | モデルと状態による |
| 大島紬の着物 | 5,000円から5万円 | 証紙ありで高額 |
| ヴィンテージレコード(希少盤) | 1,000円から10万円以上 | タイトルと状態による |
| 未開封ウイスキー(山崎、響など) | 3万円から100万円以上 | 年代と銘柄による |
遺品買取はどこに依頼すればよいのか
遺品の買取先は大きく分けて3つのタイプがあります。それぞれの特徴を理解して、品物に合った業者を選びましょう。
遺品整理業者(買取対応あり)
遺品の片付けから不用品の回収、買取、供養まで一括で対応してくれるのが遺品整理業者です。みんなの遺品整理、遺品整理プログレス、ライフリセットなどが全国対応の大手として知られています。片付けと買取を同時に進められるため、時間や手間を大幅に節約できます。
ただし、買取に特化した業者ではないため、品物ごとの査定精度にばらつきがある点には注意が必要です。高額品については、別途専門の買取業者に査定を依頼することをおすすめします。
ジャンル特化型の買取業者
貴金属ならおたからや、大黒屋、なんぼや。ブランド品ならコメ兵、ブランディア、ブランドオフ。骨董品なら日晃堂、福ちゃん、バイセル。着物ならバイセル、ザ・ゴールド。このように、品目ごとに専門性の高い買取業者が存在します。
専門業者は鑑定力が高く、品物の本来の価値を見逃さずに査定してくれるため、高額品はジャンル特化型の業者に依頼するのがベストです。
総合買取業者
バイセル、福ちゃん、高く売れるドットコムなどの総合買取業者は、貴金属からブランド品、骨董品、家電まで幅広いジャンルに対応しています。まずは総合買取業者に一括で査定を依頼し、高額品については専門業者にセカンドオピニオンを求めるという使い方が効率的です。

遺品を処分する前にやるべきこと
相続人全員の合意を得る
遺品は法的には相続財産です。相続人が複数いる場合は、遺品の売却や処分について事前に全員の合意を得ることが重要です。勝手に売却してしまうと、後から他の相続人とのトラブルに発展する可能性があります。遺産分割協議が完了してから処分に着手するのが安全です。
遺言書を確認する
遺言書に特定の品物の譲渡先が指定されている場合があります。遺品整理に取り掛かる前に、遺言書の有無を確認してください。
すぐに処分しない
遺品整理は精神的にも肉体的にも負担が大きいため、急いで処分しようとするとミスが起きやすくなります。価値の判断がつかないものは、とりあえず保管しておき、落ち着いてから専門家に査定を依頼しましょう。四十九日が過ぎてから本格的な遺品整理に着手するのが一般的な目安とされています。
写真を撮っておく
遺品を整理する前に、部屋全体や品物の写真を撮っておくことをおすすめします。後から「あれはどこに行った」「これは誰がもらった」といったトラブルを防ぐための記録になります。また、買取査定を依頼する際にも、写真があるとスムーズです。
遺品整理で捨ててはいけないものは何か
以下のものは、一見すると不要に見えても価値がある可能性があるため、安易に処分しないでください。
- 古い木箱に入った陶器や茶碗(桐箱入りは特に注意)
- 額装された絵画や書(無名でも市場価値がある場合あり)
- 古いカメラやレンズ(フィルムカメラは中古市場で人気)
- 切手や古銭のコレクション(アルバムごと保管)
- 古い着物や帯(特に証紙付き)
- 勲章や記念メダル
- 古い人形(市松人形、ビスクドールなど)
- 未開封の酒類(特にウイスキー、ブランデー、日本酒の古酒)
- 鉄道模型やミニカーのコレクション
- 古い地図や古文書
遺品買取でよくある失敗とその対策
1社だけで決めてしまう
遺品買取で最もよくある失敗は、最初に来た業者にすべてを任せてしまうことです。買取額は業者によって大きく異なるため、最低でも3社から査定を取ることをおすすめします。
素人判断で捨ててしまう
古くて汚れているからと、骨董品や美術品を廃棄してしまうケースがあります。専門家の目で見れば高額品であることも珍しくありません。価値が分からないものは、まず買取業者に見てもらいましょう。
悪質な業者に依頼してしまう
遺品整理や買取の業界には、残念ながら悪質な業者も存在します。相場よりも極端に安い金額で買い叩いたり、遺品整理の費用を不当に高く請求したりする業者には注意が必要です。一般社団法人遺品整理士認定協会に認定された業者や、古物営業許可証を持つ業者を選ぶようにしましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 遺品の買取は相続税の対象になりますか?
遺品は相続財産に含まれるため、相続税の計算対象になります。ただし、相続税には基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人の数)があるため、遺産総額がこの範囲内であれば相続税はかかりません。遺品を売却して得た金額そのものに対して別途課税されるわけではなく、あくまで相続財産の評価額として計上されます。
Q2. 遺品整理業者と買取業者は同時に依頼できますか?
はい、可能です。遺品整理業者のなかには買取サービスも行っている業者がありますし、遺品整理業者に片付けを依頼しつつ、高額品だけ別途専門の買取業者に査定してもらうという方法も一般的です。
Q3. 故人のコレクションの価値が全くわかりません。どうすればよいですか?
まずは総合買取業者に出張査定を依頼するのがおすすめです。バイセルや福ちゃんなどの大手は幅広いジャンルに対応しており、無料で出張査定を行っています。査定結果を見て、高額品については専門業者にセカンドオピニオンを求めるのが賢明です。
Q4. 遺品の買取で身分証明書は必要ですか?
はい、古物営業法に基づき、買取の際には本人確認が義務付けられています。運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなどの身分証明書を用意してください。相続人であることを証明する書類(戸籍謄本など)の提示を求められる場合もあります。
Q5. 仏壇や神棚は買取してもらえますか?
仏壇や神棚は、一般的な買取業者では取り扱いが難しい品目です。ただし、素材や装飾に価値がある場合は、骨董品として査定してくれる業者もあります。処分する場合は、お寺や神社でお焚き上げ(供養処分)を依頼するのが一般的です。遺品整理業者のなかには供養サービスを提供しているところもあります。
Q6. 遺品整理はいつ始めるのが適切ですか?
一般的には四十九日の法要が終わってから着手するのが目安です。ただし、賃貸住宅の場合は退去期限があるため、早めに取り掛かる必要があることもあります。気持ちの整理がつかない場合は、遺品整理業者に相談すれば、スケジュールの提案も含めてサポートしてくれます。
Q7. 遺品を寄付することはできますか?
はい、衣類や書籍、日用品などは、NPO法人やボランティア団体への寄付が可能です。セカンドライフやワールドギフトなどの団体が遺品の寄付を受け付けています。売却が難しいけれどまだ使えるものは、寄付という選択肢も検討してみてください。
まとめ
遺品整理では、見た目だけでは価値が分からない品物がたくさん出てきます。貴金属の刻印を確認する、桐箱入りの品物を大切にしておく、ブランド品の付属品を探す。この基本を押さえるだけで、価値のある品を見逃すリスクはかなり減ります。高額品は専門業者に個別査定を、その他はまとめて総合買取業者に依頼するのが効率的です。相続人全員の合意を得てから、焦らず進めてください。