
2026年1月29日、田中貴金属工業の店頭小売価格で金が1グラムあたり29,815円を記録しました。過去最高値の更新です。3万円の大台にはあと一歩届かなかったものの、2020年の約6,000円台と比べれば5倍近い水準になっています。
この記事では、2026年の金相場データ、過去数年の価格推移、専門家の見通し、売り時を見極めるための具体的なポイントを整理します。
目次
2026年の金買取価格はいくら?最新相場データ
2026年に入ってからの金価格は、過去に例を見ない高水準で推移しています。
2026年の月別金価格推移
| 月 | 最高値(円/g) | 最安値(円/g) |
|---|---|---|
| 2026年1月 | 29,815 | 24,491 |
| 2026年2月 | 28,788 | 26,527 |
| 2026年3月 | 29,969 | 24,777 |
(田中貴金属工業 店頭小売価格・税込)
2026年3月31日時点の小売価格は25,732円/gです。1月29日に記録した29,815円/gと比べると調整局面にありますが、歴史的高値圏であることに変わりはありません。3月3日には29,969円/gと、再び3万円に迫る場面もありました。
4月に入ってからも高値圏での推移が続いています。2026年4月8日時点の買取価格は26,837円/gです。3月末の25,732円/gからは若干の回復を見せており、月間を通じた平均は26,000円台前半で安定しています。
注目すべきは、価格の変動幅です。2026年1〜3月の最高値と最安値の差は5,478円/gにも達します。同じ月の中でも数千円単位で動くことがあるため、売却タイミングによって買取額が大きく変わります。100グラムの金インゴットを売る場合、売却日が1週間違うだけで数万円の差が生じることも珍しくありません。
ここ1年間の上昇幅
2025年1月の価格帯は14,776〜15,303円/gでした。2026年1月には24,000〜29,000円台まで上昇しています。1年で1万円以上の値上がりです。2025年1月時点で金を保有していた人は、資産価値が約1.7〜1.9倍に膨らんだ計算になります。
過去5年間の金価格推移|なぜここまで高騰したのか?
金価格の上昇トレンドを理解するために、過去の推移を確認しておきましょう。
年別・国内金価格の推移
| 年 | 最高価格(円/g) | 最低価格(円/g) | 年間平均(円/g) | 前年比 |
|---|---|---|---|---|
| 2020年 | 7,063 | 5,214 | 6,122 | – |
| 2021年 | 6,897 | 5,930 | 6,402 | +5% |
| 2022年 | 8,154 | 6,680 | 7,649 | +19% |
| 2023年 | 9,935 | 7,909 | 8,834 | +15% |
| 2024年 | 13,784 | 9,472 | 11,718 | +33% |
| 2025年 | 22,844 | 13,433 | 17,302 | +48% |
| 2026年(1-3月) | 29,969 | 24,491 | 約27,000 | – |
(田中貴金属工業 店頭小売価格・税込)
2020年に約6,100円/gだった金価格は、2025年の年間平均で約17,300円/gと約2.8倍になりました。2026年3月時点の水準まで含めると、約4倍の上昇になります。
金価格高騰の背景
地政学リスクの常態化が大きな要因です。ウクライナ情勢の長期化、中東の軍事的緊張、米中対立の深刻化。どれも短期で解消する見込みがなく、安全資産としての金に資金が流れ続けています。
各国中央銀行の金買い増しも需要を押し上げています。2024年には世界の中央銀行が合計約1,044トンの金を購入し、3年連続で1,000トン超を記録しました(World Gold Council)。外貨準備の多様化、とりわけドル依存からの脱却を図る新興国の動きが目立ちます。
円安の影響も無視できません。対ドルで150〜160円台が続く場面があり、円建ての金価格を大きく押し上げました。日米金利差が縮小しない限り、この構造は変わりにくいでしょう。
ワールド・ゴールド・カウンシル(WGC)が示す4つのシナリオ
World Gold Council(WGC)は、2026年の金市場について4つのシナリオを提示しています。
| シナリオ | 想定される状況 | 金価格への影響 |
|---|---|---|
| マクロ・コンセンサス | 世界経済が市場予想どおりに推移 | ±5%(横ばい圏) |
| 浅い景気後退 | 景気が軽度の後退に入る | +5〜15%(上昇) |
| 負の連鎖 | 金融危機や地政学リスクの連鎖 | +15〜30%(急騰) |
| リフレーション復活 | 景気回復・インフレ鎮静化 | −5〜20%(下落) |
4つのシナリオのうち、3つは金価格に対してプラスまたはニュートラルの見通しです。大幅に下落するのはリフレーション復活シナリオのみで、世界経済が急速に正常化する楽観的な前提に基づいています。現状の地政学リスクや中央銀行の買い入れ継続を踏まえると、このシナリオの実現可能性はやや低いとされています。
加えて、インフレ懸念もあります。トランプ政権の関税強化政策による物価上昇圧力や、各国の金融緩和による通貨の信認低下が、金への逃避需要を生んでいます。
金の売り時はいつ?2026年は売却すべきタイミングなのか
結論:2026年は売却の好機
過去数年のデータを見れば、2026年が金の売り時であることは間違いありません。
- 国内金価格が2020年比で約4倍の水準
- 2026年1月に史上最高値(29,815円/g)を記録
- 3月時点でも25,000円/g前後を維持
買取大吉のコラムでも「金を売却する好機」という評価が出ています。
ただし「もう少し待つ」選択肢も
長期保有を選ぶ合理的な理由もあります。
ゴールドマン・サックスは2026年末の金価格を5,400ドル/オンスと予測しています(2026年1月時点、Bloomberg報道)。JPモルガンも2026年第4四半期に平均6,300ドル/オンスに達するとの見通しを示しました。国際的な金融機関が強気の予測を維持している以上、さらなる上昇の余地はあります。
下落リスクも把握しておく
一方、シティグループは2026年後半までに金価格が1オンス2,500ドル程度まで下落する可能性を指摘しています(2025年時点の予測、Business Insider報道)。FRBの利下げや景気見通しの改善で投資需要が落ち着くという見立てです。現在の水準から大幅な調整となります。
分割売却という選択肢
全量を一度に売るか迷う場合は、分割売却を検討する価値があります。たとえば保有する金の3分の1を現在の高値で売却し、残りは様子を見るという方法です。
分割売却のメリットは3つあります。まず、価格変動リスクを平均化できること。次に、年間の譲渡益を50万円以内に抑えて非課税にできる可能性があること。そして、将来さらに値上がりした場合の利益も確保できることです。
100gのインゴットを保有している場合、30gを2026年に売却し、残り70gを翌年以降に回すといった計画が考えられます。金は劣化しないため、保管コストを除けば急いで売る必要がない資産です。
「確実に利益を確定したいなら今」「さらなる上昇に賭けるなら保有継続」。判断は個人の状況次第ですが、少なくとも歴史的に見て高値圏にいることは事実です。
売り時を見極める5つのチェックポイント
金の売却タイミングを判断するための具体的な指標を紹介します。
1. 国際金価格(ドル建て)の動向をチェック
金の国際指標価格はドル建てで決まります。ニューヨーク金先物が節目(3,000ドル、3,500ドルなど)を突破した直後は、利益確定売りが入りやすくなります。
2. 為替レート(ドル円)を確認
円安が進むと、円建ての金価格は上昇します。逆に円高に振れると、国際価格が上がっても国内買取価格が下がることがあります。
- 円安局面(150円以上)なら円建て金価格は上がりやすい。売り時
- 円高局面(130円以下)なら円建て価格は下がる。待ちが有利
3. 地政学リスクの変化を注視
紛争の激化や金融危機が起きると金価格は急騰します。逆に、紛争終結や経済安定化の兆しが見えると価格は調整されます。
4. 各国中央銀行の金購入動向
中央銀行が金の買い増しを続けている間は、需要面から価格が支えられます。購入ペースの鈍化が見られたら注意が必要です。
5. 自分の購入価格と比較
結局のところ、自分がいくらで買ったかが一番の判断基準になります。購入価格に対して十分な利益が出ているなら、無理にさらなる上昇を待つ必要はありません。

金の買取店を選ぶポイント|どこに売ればいい?
金の売却先によって、買取価格は数千円単位で変わることがあります。
主要買取業者の特徴
| 業者名 | 特徴 | 手数料 |
|---|---|---|
| 田中貴金属工業 | 国内最大手、信頼性が高い | 重量によって異なる |
| 大黒屋 | 全国展開の買取専門チェーン | 査定無料 |
| なんぼや | 全国150店舗以上、即日現金化 | 査定無料 |
| 買取大吉 | 全国700店舗以上の買取チェーン | 査定無料 |
| GINZA TANAKA | 田中貴金属の直営店 | 店頭対応 |
| リファスタ | 池袋・大阪に店舗、相場チャート公開 | 査定無料 |
| ゴールドプラザ | 日次で金価格を更新・公開 | 査定無料 |
| ザ・ゴールド | 全国約70店舗、出張買取に強い | 査定無料 |
| バイセル | 出張・宅配・店頭の3方式対応 | 査定無料 |
| おたからや | 全国1,670店舗以上の最大級チェーン | 査定無料 |
高く売るためのコツ
複数店舗で相見積もりを取ることが重要です。業者によって買取レートは異なるので、1社だけで決めるのはもったいないです。
純度の事前確認も大切です。K24(純金・99.9%以上)が最も高値がつきます。K18なら純金の75%、K14なら約58%の金含有率で、それに応じて買取価格が下がります。
あとは相場が高い日を狙うことです。日々の金価格は変動するので、価格が上がったタイミングで売却するだけで数千円の差が出ます。
出張・宅配・店頭買取の使い分け
金の買取方法は大きく3つに分かれます。それぞれメリット・デメリットがあるので、売りたい金の量や種類に応じて使い分けると良いでしょう。
| 買取方法 | メリット | デメリット | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 店頭買取 | その場で査定・即日現金化。目の前で計量されるので安心 | 店舗まで持ち込む手間。大量の金を持ち歩くリスク | 少量の金製品を売りたい人。近くに買取店がある人 |
| 出張買取 | 自宅で完結。大量・重量物でも対応可能 | 自宅に業者を招く必要あり。悪質業者の押し買いリスク | 大量のインゴットや遺品整理で金が出てきた人 |
| 宅配買取 | 全国対応。非対面で完了。複数社に同時に見積もり可能 | 配送中の紛失・盗難リスク。現金化まで数日かかる | 近くに店舗がない人。忙しくて時間が取れない人 |
金のインゴットや大量のジュエリーを売る場合、保険付きの配送サービスがある宅配買取か、自宅まで来てくれる出張買取が便利です。少額の金製品(ネックレス1本、リング1個など)であれば、店頭に持ち込んで即日現金化するのが手軽です。
金を売却する際の税金と注意点
金の売却で利益が出た場合、税金が発生する可能性があります。
個人の金売却にかかる税金
金の売却益は原則として譲渡所得に分類されます(国税庁 No.3161)。
計算の流れは以下のとおりです。
- まず譲渡益を算出します:売却価額 −(取得費 + 譲渡費用)= 譲渡益
- 年間の譲渡益合計から特別控除50万円を差し引きます
- 保有期間が5年超(長期譲渡所得)の場合は、控除後の金額をさらに1/2にします
短期(5年以内)と長期(5年超)の両方がある場合、50万円の控除は短期から先に適用されます。控除は合計で50万円が上限です。
年間の譲渡益が50万円以内であれば、税金はかかりません。
売却時に注意すべきポイント
200万円を超える取引では、業者が税務署へ支払調書を提出する義務があります。本人確認書類とマイナンバーの提示が求められます。
購入時の証明書類は必ず保管しておきましょう。購入価格が不明だと、売却額の5%しか取得費として認められず、残り95%が利益とみなされます。これは相続で金を受け継いだ場合によく問題になります。
年間の利益を50万円以内に調整するため、複数回に分けて売却する方法もあります。
2026年以降の金価格はどうなる?専門家の予測
専門機関の予測まとめ
| 予測元 | 予測時期 | 予測価格 | 出典 |
|---|---|---|---|
| ゴールドマン・サックス | 2026年末 | 5,400ドル/オンス | Bloomberg(2026年1月報道) |
| JPモルガン | 2026年末 | 6,300ドル/オンス | FashionNetwork等(2025年報道) |
| シティグループ | 2026年後半 | 2,500ドル/オンス(下落予測) | Business Insider(2025年報道) |
ゴールドマン・サックスとJPモルガンは強気、シティグループは弱気と、専門家の間でも見方が分かれています。どの予測が正しいかは誰にもわかりません。
AI予測による長期見通し
ブラリバの記事で紹介されているAI予測では、以下の水準が見込まれています。
| 時期 | 予測価格(円/g) |
|---|---|
| 2036年(10年後) | 35,000〜45,000円 |
| 2046年(20年後) | 50,000〜65,000円 |
長期的には上昇トレンドが予測されていますが、短期的な急落リスクは常にあります。「いつ売るか」の判断は、結局のところ個人の資金状況と目的によります。

金を売却する手続きの流れ
金の売却は、初めてでもシンプルな流れで完了します。店頭買取の場合、所要時間は30分〜1時間程度です。
- 事前準備:本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカード等)を用意する。購入時の証明書や保証書があれば持参する
- 査定の申し込み:店頭に持ち込むか、出張・宅配の申し込みをする。この段階で料金は発生しない
- 査定・計量:専門の計量器で重さを測定し、純度を検査する。X線分析装置で刻印と実際の純度が一致するか確認される
- 買取価格の提示:当日の相場に基づいた買取価格が提示される。納得できなければキャンセルしても費用はかからない
- 契約・現金受け取り:買取金額に合意したら、本人確認書類の提示と書類への記入を行い、現金を受け取る。200万円を超える取引ではマイナンバーの提示も必要
宅配買取の場合は、申し込み後に届く専用キットに金製品を入れて発送します。査定結果はメールや電話で通知され、合意すれば指定口座に振り込まれます。配送中の紛失に備えて、運送保険が付いているサービスを選ぶのがポイントです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 2026年の金の最高値はいくらですか?
2026年1月29日に、田中貴金属工業の店頭小売価格で1グラムあたり29,815円を記録し、過去最高値を更新しました。3月3日にも29,969円/gと3万円に迫る場面がありました。
Q2. 金は今売るべきですか?
2026年は過去20年間で最も金価格が高い時期です。十分な利益が出ているなら、売却の好機といえます。ただし、ゴールドマン・サックスやJPモルガンはさらなる上昇を予測しており、保有を続ける選択肢もあります。
Q3. 金の買取価格は店舗によって違いますか?
違います。田中貴金属工業、大黒屋、なんぼや、買取大吉など複数の業者で見積もりを取ることをおすすめします。
Q4. 金を売ったら税金はかかりますか?
金の売却益は譲渡所得として課税されます。ただし、年間50万円の特別控除があり、譲渡益が50万円以内であれば非課税です。保有期間が5年を超える場合は、控除後の課税額がさらに半分になります。
Q5. K18やK14の金も売れますか?
売れます。ただし、K24(純金)に比べて純度が低い分、買取価格は下がります。K18は純金の75%、K14は純金の約58%の金含有率です。
Q6. 金の売却に手数料はかかりますか?
業者によります。なんぼや、買取大吉などの買取専門店は査定・買取手数料を無料としています。田中貴金属工業では、インゴットの重量によって手数料が発生する場合があります。
Q7. 金のインゴットと金製品(ジュエリー)では買取価格は違いますか?
異なります。金インゴット(金地金)は純度が高く、その日の相場に近い価格で買い取られます。金製品(ジュエリー、コイン等)は金の含有量に基づいて査定されますが、デザイン性やブランド価値が加味されることもあります。
Q8. 円安のときに売った方が得ですか?
基本的にはそのとおりです。金の国際価格はドル建てのため、円安のときは円換算した金価格が上がります。2026年は対ドルで150円〜160円台の円安水準が続く場面があり、円建てでの売却には有利な環境でした。
まとめ|2026年の金売却で押さえるべきポイント
2026年の金相場は、過去最高値を更新する歴史的な高値圏にあります。
- 2026年1月に金価格が29,815円/gの過去最高値を記録。3月にも29,969円/gまで上昇
- 2020年比で約4倍の水準。保有者にとっては大きな含み益が出ている
- ゴールドマン・サックスやJPモルガンは強気予測。シティグループは下落を予測。見方は割れている
- 売却先は複数比較が鉄則。田中貴金属、大黒屋、なんぼや等で相見積もりを
- 譲渡所得の特別控除50万円を活用し、必要に応じて分割売却を検討
正直なところ、ここまで金価格が上がるとは数年前には予想できませんでした。「もう少し待てばさらに上がるかも」という気持ちもわかりますが、利益が出ているうちに一部でも確定しておくのは悪くない判断だと思います。全量売却か一部売却か、購入価格と今の生活資金のニーズを照らし合わせて決めるのが現実的です。