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偽物を売ってしまったらどうなる?ブランド品買取のコピー品トラブルと対策

「もらったブランド品が偽物かもしれない」「フリマで買った商品を買取に出したいけど真贋が不安」。こういう悩みを持っている方は少なくありません。偽物のブランド品を売ってしまうと、商標法違反や詐欺罪など重い法的リスクを負う可能性があります。この記事では、偽物を売った場合の法的リスクを整理し、自分でできる真贋チェックの方法やトラブル防止策までまとめました。

この記事でわかること

  • 偽物のブランド品を売った場合に問われる3つの罪と罰則の内容
  • 「偽物と知らなかった」場合に罪になるケース・ならないケース
  • 買取店が偽物を発見したときの具体的な対応フロー
  • 自分でできるブランド品の真贋チェック方法5つ
  • 安心して売却するための買取店選びのポイント
  • コピー品の等級分類と近年の精巧化の実態
偽物を売ってしまったらどうなる?ブランド品買取のコピー品トラブルと対策【2026年版】

偽物のブランド品を売るとどんな罪に問われる?

偽物のブランド品を売る行為は、複数の法律に抵触する可能性があります。「知らなかった」で済まないケースもあるため、法的リスクを正確に把握しておく必要があります。

商標法違反(商標権侵害)

ブランドのロゴやデザインは商標として登録されています。偽造品を販売する行為は商標権の侵害にあたり、商標法第78条により10年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその併科が科される可能性があります。法人の場合は罰金が最大3億円です。

さらに、販売目的で偽物を所持しているだけでも商標法第78条の2に該当し、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科されることがあります。売る前の段階で、すでに違法になり得るということです。

不正競争防止法違反

他者の著名な商品表示(ブランド名やロゴ)に類似した商品を販売・輸出・輸入する行為は、不正競争防止法にも違反します。罰則は5年以下の懲役または500万円以下の罰金(法人は3億円以下の罰金)です。商標法との違いは、商標登録がなくても「周知」または「著名」な表示であれば保護される点にあります。

詐欺罪(刑法第246条)

偽物を本物と偽って売った場合、刑法上の詐欺罪が成立する可能性もあります。詐欺罪の罰則は10年以下の懲役で、罰金刑の規定はなく懲役のみです。「相手を欺く行為」「相手が錯誤に陥ること」「財物の交付」の三要件が揃えば成立し、買取店に対してだけでなくフリマアプリやオークションでの個人間取引にも適用されます。

3つの法律の罰則比較表

法律罰則(個人)罰則(法人)故意の要否適用されるケース
商標法第78条(販売)10年以下の懲役/1,000万円以下の罰金3億円以下の罰金故意が必要ブランドロゴ入りの偽物を販売
商標法第78条の2(所持)5年以下の懲役/500万円以下の罰金3億円以下の罰金故意が必要販売目的で偽物を保管
不正競争防止法5年以下の懲役/500万円以下の罰金3億円以下の罰金故意が必要著名ブランド表示の冒用
詐欺罪(刑法第246条)10年以下の懲役故意が必要偽物を本物と偽って売却

偽物と知らずに売ってしまった場合はどうなる?

結論からいえば、偽物であることを本当に知らなかった場合、原則として刑事罰には問われません。商標法違反も詐欺罪も「故意」が成立要件だからです。偽物と知らない状態(善意)で売却した場合、犯罪の構成要件を満たしません。

ただし「知らなかった」が通用しないケースもある

ただし次のような状況では、本人が「知らなかった」と主張しても故意があったと推認される可能性があります。

  • 相場より極端に安い価格で入手していた場合。ルイ・ヴィトンのバッグを1万円で手に入れて本物として売ろうとすれば、「偽物の可能性を認識していた」と判断されやすい
  • 海外の路上販売や偽物市場から購入していた場合。購入場所そのものが認識の推認材料になる
  • 偽物を繰り返し売却していた場合。1回目は過失でも、複数回にわたれば故意と推定されやすい
  • フリマアプリで購入証明のない商品を転売するなど、購入元の信頼性を確認していなかった場合

民事上の責任は残る可能性がある

刑事罰を免れても、民事上の責任は残ります。買取契約には「真正品であることの保証」が含まれていることが多く、後日偽物と判明すれば、売買契約の無効や取消しを主張される可能性があります。

買取店で偽物と判定されたらどうなる?

ブランド品買取店では査定時に真贋判定を行うのが一般的です。偽物と判定された場合の流れを知っておけば、いざというとき慌てずに済みます。

買取店の一般的な対応フロー

  1. 査定時に偽物と判定。経験豊富な鑑定士が真贋をチェックし、偽物の疑いがあると判断します
  2. 買取拒否の通知。多くの買取店は「当店の買取基準に満たない」「お取り扱い対象外」といった表現で伝えます。「偽物です」と断定しないのは、買取店に法的な鑑定権限がないためです
  3. 商品の返却。偽物と判定された商品はそのまま持ち主に返されます
  4. 通報の可能性。悪質なケースや大量持ち込みの場合、警察に通報されることがあります

買取後に偽物と判明した場合

稀に査定ミスで偽物が買い取られてしまうケースがあります。この場合、以下のような対応が想定されます。

  • 買取店から連絡があり、返品と返金を求められる
  • 返金に応じない場合、民事訴訟に発展する可能性がある
  • 故意に偽物を売ったと判断されれば、刑事告訴される可能性もある

トラブルを避けるために、買取時の契約書や明細書は必ず保管しておきましょう。

コピー品の等級と見分けにくさの実態

近年のコピー品は精巧さを増しており、見た目だけで判別するのは難しくなっています。コピー品には品質に応じた等級があり、上の等級ほど見分けがつきにくい。

コピー品の等級分類

等級品質の特徴見分けやすさ流通状況
A級安価な人工皮革、粗い縫製、ロゴの歪み素人でも判別可能大量に流通
S級天然皮革を使用するが品質は低い。使い込むと過度に変色やや判別しやすい比較的多い
SS級高品質な天然皮革を使用。金具や刻印に微細な差異がある判別が難しい流通はやや少ない
N級(スーパーコピー)正規品と同等の素材を使用し、仕上がりも酷似。わずかな仕上げの差で判別プロでも慎重な鑑定が必要流通は限定的だが増加傾向

N級(スーパーコピー)は正規品とほぼ同じ素材を使い、縫製や金具の精度も高いため、経験の浅い鑑定士でも判別に苦労するレベルです。こうした精巧なコピー品の存在が「偽物と知らずに買ってしまう」トラブルの原因になっています。

自分でできるブランド品の真贋チェック方法5つ

買取に出す前に、自分である程度の真贋チェックはできます。完全な判別は専門家に任せるべきですが、次のポイントを確認しておけば偽物を持ち込むリスクを減らせます。

1. シリアルナンバー・製造番号の確認

正規品には必ずシリアルナンバーや製造番号が付されています。確認箇所はブランドやアイテムごとに異なります。

  • バッグ:内ポケットの裏側やファスナー近く
  • 財布:内ポケットやカード入れの裏
  • 腕時計:裏ブタやラグの間
  • ジュエリー:リング内側、ネックレスの留め具

番号がない、フォントが不自然、刻印が浅いなどの場合はコピー品の可能性があります。

2. ロゴ・刻印の精度チェック

ブランドロゴは最も偽造されやすい部分であると同時に、最も違いが出やすい部分でもあります。ルイ・ヴィトンのモノグラム、エルメスのロゴ刻印、シャネルのCCマークなどは、正規品とコピー品で線の太さや配置のバランスに差が出ます。スマートフォンのカメラで拡大撮影し、正規品の写真と比較してみましょう。

3. 縫製・素材の品質確認

正規のブランド品は縫製が均一で、糸のほつれや歪みがありません。特にステッチの間隔やピッチの均等さ、糸の色味は重要なチェックポイントです。また、レザーの質感や匂いも判断材料になります。本物の天然皮革には独特の重厚感と香りがあります。

4. 付属品・パッケージの確認

正規品には保存袋、箱、ギャランティカード(保証書)、購入証明書などの付属品が揃っています。付属品の有無だけでなく、箱の色味やロゴの印刷品質、保証書のフォーマットまで確認してください。ただし、近年は付属品まで精巧に偽造されるケースもあるため、付属品だけで判断するのは危険です。

5. RFIDタグ・ICチップの読み取り

近年の新しいモデルには、RFIDタグやICチップが内蔵されています。ルイ・ヴィトン、シャネル、ディオール、フェンディなどのブランドでは、スマートフォンのNFC機能を使ってタグを読み取ることで真贋を確認できます。読み取りアプリはブランド公式アプリや汎用のNFCリーダーアプリで対応可能です。ただし、旧モデルにはRFIDが搭載されていない場合もあるため、非搭載だからといって偽物とは限りません。

偽物を売ってしまったらどうなる?ブランド品買取のコピー品トラブルと対策【2026年版】

プロによる真贋鑑定サービスを活用する方法

自分でのチェックに不安がある場合は、専門家の鑑定サービスを利用してください。

AACD(一般社団法人 日本流通自主管理協会)

AACDは1998年に設立された民間団体で、並行輸入品市場での偽造品の流通防止と排除を目的としています。協会独自の「協会基準マニュアル」の策定や「協会基準判定士」の養成を行っており、加盟企業は厳格な自主基準に基づいて真贋判定を実施しています。消費者向けの相談窓口「消費者Q&Aセンター」やADR機関「ブランド110番」も運営しています。AACD加盟店で買取を依頼すれば、一定水準以上の真贋判定が期待できます。

AI真贋鑑定サービス

近年はAIを活用した真贋鑑定サービスも登場しています。フェイクバスターズ(IVA株式会社)は、膨大なデータベースをもとに開発されたAIとプロの鑑定士によるダブルチェック体制で真贋鑑定を行っています。ナイキやシュプリームのスニーカー、ルイ・ヴィトンやエルメス、シャネルのバッグなどに対応しており、オンラインで写真を送るだけで鑑定を依頼できます。

ブランド直営店での確認

一部のブランドでは、直営店や正規代理店でリペアや確認サービスを提供しています。修理の受付時に正規品であるかの確認が行われるため、間接的に真贋を判断できます。ただし、直営店は公式に「鑑定サービス」を提供しているわけではないため、真贋判定を目的とした持ち込みには対応してもらえない場合もあります。

トラブルを防ぐための買取店選びのポイント

偽物のトラブルを避けるには、信頼できる買取店を選ぶのが前提です。次のポイントを参考にしてください。

古物商許可証の確認

ブランド品の買取を行うには、古物営業法に基づく「古物商許可証」が必要です。許可番号は店舗やウェブサイトに掲載されているのが一般的です。許可番号の記載がない業者は違法営業の可能性があるため、利用を避けましょう。

AACD加盟店かどうかの確認

前述のAACD加盟企業は、協会の自主基準に従って真贋判定を行っています。加盟企業一覧はAACDの公式サイトで確認できます。加盟店であれば、偽物を誤って買い取るリスクが低く、万が一のトラブル時にも協会を通じた解決が期待できます。

複数店舗での相見積もり

1店舗だけの査定では判断が偏る可能性があります。少なくとも2~3店舗で査定を受け、査定額と鑑定の説明内容を比較しましょう。極端に高い査定額を提示する業者には注意が必要です。悪質な業者が偽物と知りながら安値で買い叩くケースも報告されています。

出張買取のクーリングオフ制度

出張買取(訪問購入)を利用した場合、特定商取引法により契約書面を受け取った日から8日以内であればクーリングオフ(無条件解約)が可能です。2022年6月の法改正で、書面だけでなく電子メール等でも通知できるようになりました。なお、店舗持ち込みの場合はクーリングオフの対象外です。

フリマアプリ・ネットオークションでの注意点

メルカリやヤフオク!などの個人間取引では、買取店に売る場合とは異なるリスクが存在します。

プラットフォーム側の規制

メルカリでは偽ブランド品・正規品と確証のない商品の出品を禁止しています。違反が発覚した場合、出品の取り消しやアカウント停止、利益の没収といったペナルティが科されます。ヤフオク!でも同様のルールがあり、真正品であることを保証できない商品の出品は規約違反となります。

個人間取引での法的リスク

フリマアプリで偽物を販売した場合も、商標法違反や詐欺罪が成立する可能性があります。「個人間の売買だから問題ない」という認識は誤りです。実際に、メルカリやラクマで偽ブランド品を販売して逮捕された事例は複数報告されています。

安全に出品するためのポイント

  • 購入時のレシートや保証書を保管し、出品時に掲載する
  • 正規店で購入したことを証明できる商品のみ出品する
  • 真贋に不安がある場合は、鑑定サービスを利用してから出品する
  • 「正規品かどうか不明」と正直に記載して出品する方法もあるが、この場合は大幅に価格が下がる
偽物を売ってしまったらどうなる?ブランド品買取のコピー品トラブルと対策【2026年版】

よくある質問(FAQ)

Q1. 偽物と知らずにブランド品を買取に出したら逮捕されますか?

偽物と知らなかった場合は、原則として逮捕や起訴はされません。商標法違反も詐欺罪も故意が必要です。ただし、入手経路が不自然だったり大量に販売していた場合は、故意があったと推認される可能性があります。

Q2. 買取店で偽物と言われましたが、正規店で買った商品です。どうすればよいですか?

買取店の判定が必ずしも正しいとは限りません。購入時のレシートや保証書を提示し、正規店で購入した旨を説明しましょう。それでも解決しない場合は、別の買取店で再査定を受けるか、AACDの「ブランド110番」に相談することをおすすめします。

Q3. コピー品を海外で購入して日本に持ち込むだけでも違法ですか?

はい。偽ブランド品を日本に持ち込む行為は、関税法第69条の11に基づく輸入禁制品に該当します。税関で発見された場合は没収・廃棄の対象となり、商業目的であれば刑事罰を受ける可能性もあります。個人使用目的でも、数量が多い場合は商業目的と判断されることがあります。

Q4. 偽物のブランド品を持っているだけで罪になりますか?

個人で所持しているだけであれば、直ちに犯罪にはなりません。ただし、販売目的で所持していると判断された場合は商標法第78条の2に違反し、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科される可能性があります。メルカリへの出品準備をしていた場合などは「販売目的」と認定されやすいです。

Q5. 偽物を売ってしまった場合、どこに相談すべきですか?

まずは弁護士への相談をおすすめします。故意がなかった場合でも、民事上のトラブルに発展する可能性があるためです。法テラス(日本司法支援センター)では無料法律相談を受けることもできます。また、消費者トラブル全般については消費者ホットライン(局番なし188)に相談できます。

Q6. 真贋判定はどこで受けられますか?費用の相場は?

AACD加盟の買取店での査定は無料のケースが多いです。AI真贋鑑定サービス(フェイクバスターズなど)は1点あたり数千円が相場です。ブランドによっては直営店でのリペア受付時に確認してもらえる場合もあります。確実な鑑定を求めるなら、複数の手段を組み合わせるのが安心です。

Q7. 買取店が偽物を買い取ってしまった場合、返金義務はありますか?

法的には、偽物であることが判明した場合、売買契約の錯誤による取消しや債務不履行による解除が認められる可能性があります。買取店から返品・返金を求められた場合は、誠実に対応するのが望ましいです。故意がなかった場合でも、契約書の内容によっては返金義務が生じます。

Q8. 古物営業法との関係は?買取店側にはどんな義務がありますか?

古物営業法では、古物商(買取店)に対して取引相手の本人確認や取引記録の保存を義務付けています。買取店には盗品や偽造品の流通を防ぐ義務があり、不審な商品については警察への届出義務もあります。消費者側も、身分証明書の提示を求められた際には応じる必要があります。

まとめ:正しい知識でコピー品トラブルを未然に防ごう

ブランド品の偽物を売る行為は、商標法・不正競争防止法・詐欺罪に抵触する可能性があり、最大で10年の懲役や1,000万円の罰金が科される重大な犯罪です。「知らなかった」場合は原則として刑事罰を免れますが、入手経路や販売の回数次第では故意が推認されるリスクがあります。

トラブルを防ぐためにやるべきことはシンプルです。信頼できる入手先から買うこと。購入証明書を保管しておくこと。売却前にシリアルナンバーやロゴ・縫製を自分でチェックすること。不安なら鑑定サービスを使うこと。そしてAACD加盟店や古物商許可を持つ買取店に依頼すること。

これだけ押さえておけば、偽物に関わるトラブルのリスクは大幅に下がります。

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