
2022年をピークにロレックスの買取価格は大きく下落し、デイトナやサブマリーナといった人気モデルでも数十万円単位の値下がりが起きています。「今売るべきか、もう少し待つべきか」と悩んでいる方も多いはずです。この記事では、ロレックスの買取価格が下がった5つの原因を整理し、モデル別の価格推移データや2026年の最新相場動向、今後の見通しまでまとめています。
目次
ロレックスの買取価格はいつから下がり始めた?
ロレックスの中古相場が下落に転じたのは、2022年の春頃です。
2020年のコロナ禍以降、巣ごもり需要や投資目的の購入が急増し、ロレックスの中古価格は異常なほど高騰しました。デイトナやサブマリーナなどの人気モデルは定価の2倍以上で取引されるケースも珍しくなく、いわゆる「ロレックスバブル」の状態が続いていました。
ところが2022年後半から潮目が変わり、多くのモデルで買取価格が急落しました。2023年にかけて下落が加速し、2024年以降はやや落ち着いてきたものの、ピーク時の水準には遠い状態が続いています。
ロレックスの買取価格が下落した5つの原因
1. 中国経済の悪化と富裕層の売却ラッシュ
ロレックス相場下落の最大の要因は、中国市場の冷え込みです。不動産バブル崩壊やゼロコロナ政策後の景気低迷で、現金を確保する必要に迫られた富裕層がロレックスを一斉に手放しました。
中国は世界有数の高級時計消費国です。大量の中古ロレックスが市場に流れ込んだことで、世界的に買取相場が押し下げられました。
2. ロレックスバブルの崩壊と投機マネーの撤退
2020年から2022年前半にかけてのロレックス相場高騰は、実需だけでなく投資・転売目的の購入に支えられていました。相場が下がり始めると、投機目的の保有者は損失拡大を防ぐために一斉に売りに動きます。
この「売りが売りを呼ぶ」構造が、下落スピードに拍車をかけました。
3. ロレックス認定中古時計プログラム(RCPO)の開始
ロレックスは認定中古時計プログラム(Rolex Certified Pre-Owned)を世界各国で展開しています。日本では2024年11月にロレックス ブティック 表参道で取り扱いが始まりました。正規販売店で品質保証付きの中古ロレックスが手に入るようになり、従来の中古市場から需要が分散しています。
その結果、一般の買取業者や中古時計店での流通価格に下押し圧力がかかっています。
4. 世界的な景気後退と地政学リスク
ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の不安定化、欧米のインフレと利上げなど、経済の先行きが見えにくい状況が続いています。景気後退局面では、実用品ではない高級嗜好品の需要は真っ先に落ち込みます。
5. 供給量の正常化
コロナ禍で一時的に減少していたロレックスの生産量が回復し、正規店での購入機会が以前より増えています。さらに、ロレックスは2029年完成予定でスイス・ビュル地区に新工場を建設中です。投資額は10億スイスフランを超え、約2,000人を雇用する大規模施設になります。
「正規店で買えないから中古で買う」という需要が減ったことも、買取相場の下落に直結しています。
モデル別の価格推移を比較【2022年→2025年】
主要モデルの買取相場がどの程度下落したか、具体的なデータで見てみます。
| モデル名 | リファレンス | 2022年ピーク時 | 2025年相場 | 下落額 | 下落率 |
|---|---|---|---|---|---|
| コスモグラフ デイトナ | Ref.116500LN | 約470万円 | 約360万円 | 約110万円 | 約23% |
| デイトジャスト41 | Ref.126334 | 約192万円 | 約143万円 | 約49万円 | 約26% |
| サブマリーナー デイト | Ref.16610 | 約156万円 | 約120万円 | 約36万円 | 約23% |
デイトナやサブマリーナーのような超人気モデルでも、ピーク時から20〜30%の下落が起きています。2022年に定価の2倍以上で購入した方は、大きな含み損を抱えている可能性があります。
なお、現行デイトナ(Ref.126500LN)は2026年時点でも定価を上回る水準で取引されており、旧型と現行型で状況が異なる点には注意が必要です。
2026年1月のロレックス定価改定の影響は?
一方で、ロレックスの正規定価は上昇を続けています。2026年1月1日にも定価改定(値上げ)が実施されました。
| モデル名 | リファレンス | 改定前 | 改定後 | 値上げ額 | 値上げ率 |
|---|---|---|---|---|---|
| デイトナ(SS) | 126500LN | 2,349,600円 | 2,499,200円 | +149,600円 | +6.4% |
| サブマリーナー(SS) | 124060 | 1,400,300円 | 1,494,900円 | +94,600円 | +6.8% |
| デイトナ(YG) | 126508 | 7,108,200円 | 7,806,700円 | +698,500円 | +9.8% |
| サブマリーナー デイト(YG) | 126618LB | 6,564,800円 | 7,202,800円 | +638,000円 | +9.7% |
素材別の値上げ率はこのとおりです。
- ステンレスモデル:約6〜7%
- ロレゾール(コンビ)モデル:約8〜9%
- ゴールドモデル:約9〜10%
金価格の高騰が続いており、2025年9月には国内の店頭小売価格が1gあたり20,000円を突破しました。その後も上昇を続け、2026年3月時点では26,000円前後で推移しています。ゴールド素材を使用するモデルほど値上げ幅が大きくなるのは当然の流れです。
定価が上がると、中古相場にも一定の下支え効果が生まれます。定価との価格差が縮まるぶん中古品の割安感が薄れ、買取価格にもプラスに働きます。
2026年のロレックス相場はどうなる?今後の予測
メインシナリオ:安定〜緩やかな回復基調
2026年のロレックス相場は、大きく上がりも下がりもしない安定〜緩やかな回復基調がメインシナリオです。
その根拠をまとめます。
- ロレックスの推定売上は2023年の101億スイスフランから2024年は105.8億スイスフランに拡大(モルガン・スタンレー調べ)
- スイス時計市場におけるロレックスのシェアは約32%と圧倒的(同調査・2024年)
- 年次の定価改定が中古相場の底値を引き上げる効果がある
急騰の可能性は低い
2022年のようなバブル的高騰の再来は考えにくいところです。投機マネーの撤退やRCPOの普及で、市場はより健全で持続性のある価格帯へと落ち着きつつあります。
注意すべきリスク要因
- 中国経済のさらなる悪化
- 世界的な金融危機や景気後退の深刻化
- 円高進行による輸入中古品の増加

今売るべき?待つべき?判断のポイント
ロレックスを手放すタイミングに正解はありません。ただ、以下のポイントは判断材料になります。
今売るべきケース
- 2022年以前に定価で購入した方 -- ピーク時よりは下がっていても、多くのモデルで定価以上の買取額がつきます
- ゴールド・コンビモデルの保有者 -- 金相場が歴史的高値圏にある今は、素材価値の面で有利です
- 使わなくなった時計がある方 -- 状態が悪化する前に売却するほうが高値がつきます
もう少し待つべきケース
- デイトナやGMTマスターIIなどの人気モデル -- 緩やかな回復が見込まれ、焦って売る必要はありません
- 限定モデルや生産終了モデル -- 希少性が高く、今後の値上がり余地があります
値下がりしにくいロレックスのモデルはどれ?
すべてのロレックスが同じように下がるわけではありません。以下のモデルは相対的に価格が安定しやすい傾向にあります。
コスモグラフ デイトナ
ロレックスの中で最も人気が高く、正規店での入手難易度も依然として高いモデルです。中古市場での需要が厚く、下落時にも底が堅いのが特徴です。
サブマリーナー
ダイバーズウォッチの定番で、実用性とブランド力を兼ね備えています。流行に左右されにくく、安定した需要が続いています。
GMTマスターII
ペプシ(赤青ベゼル)やバットマン(青黒ベゼル)といった人気カラーバリエーションは、根強いファンがいます。
エクスプローラー
シンプルなデザインで年齢・性別を問わず人気があり、流行に振り回されにくいモデルです。
ロレックスを少しでも高く売るための5つのコツ
- 付属品を揃える -- 箱、保証書(ギャランティカード)、タグなどの有無で買取額が数万円変わります
- 複数の買取業者で見積もりを取る -- 大吉、なんぼや、おたからや、コメ兵、ブラリバなど大手を最低3社は比較してください
- 状態を維持する -- 日常的にクロスで拭くなど、傷や汚れを最小限に抑えることが大切です
- オーバーホール履歴を残す -- 定期的なメンテナンス記録があると、買取業者の評価が上がります
- 売却のタイミングを見極める -- 定価改定直後やボーナスシーズン(6〜7月、12月)は需要が高まり、買取額も上がりやすい傾向があります

よくある質問(FAQ)
Q1. ロレックスの買取価格はこれ以上下がりますか?
2024年後半から下落幅は縮小傾向にあり、2026年時点では底打ち感が出ています。急激な暴落の可能性は低いと見られていますが、世界経済の動向次第ではさらなる下落もあり得ます。
Q2. デイトナはまだ定価以上で売れますか?
2026年4月時点で、現行デイトナ(Ref.126500LN)は定価を上回る水準で取引されています。ただし2022年のような大幅なプレミアムはつきません。
Q3. ロレックス認定中古時計プログラム(RCPO)は日本でも利用できますか?
RCPOは2022年12月に海外で展開が始まり、日本では2024年11月にロレックス ブティック 表参道で取り扱いがスタートしました。2年間のロレックス国際保証が付く点が特徴です。
Q4. 今後ロレックスの定価はさらに上がりますか?
過去数年間、ロレックスは毎年1月に定価を改定しています。金価格の高騰や原材料費の上昇を背景に、2027年以降も値上げが続く可能性は高いでしょう。
Q5. ロレックスの買取価格は業者によってどのくらい差がありますか?
同じモデル・同じ状態でも、業者間で10〜30万円程度の差が出ることは珍しくありません。複数社への相見積もりは必須です。
Q6. 壊れたロレックスでも買取してもらえますか?
多くの買取業者で買取可能です。ロレックスはムーブメントやケースなどのパーツにも価値があるため、動かない状態でも値段がつくケースが大半です。
Q7. 円安・円高はロレックスの買取価格にどう影響しますか?
円安が進むとロレックスの定価が上がりやすく、中古相場にも上昇圧力がかかります。逆に円高になると、海外からの輸入中古品が安くなり、国内相場を押し下げる要因になります。
Q8. ロレックスを投資目的で持ち続けるのはアリですか?
ロレックスは長期的にはブランド価値と希少性で値上がりしてきた歴史があります。ただし2022年のバブル崩壊が示すように、短期的な値動きリスクは存在します。投資目的なら、デイトナやサブマリーナーなど需要が安定したモデルに絞って、長期保有を前提にするのが無難です。
まとめ
ロレックスの買取価格下落は、中国経済の悪化、バブル崩壊、RCPO導入、世界景気の不透明感など複数の要因が重なった結果です。ただ、2026年時点で下落ペースは鈍化し、緩やかな回復基調に入りつつあります。
正規定価は毎年上がり続けており、ロレックスのブランド力そのものは揺らいでいません。売却を検討するなら、複数の買取業者で見積もりを取って、最も有利な条件で手放すのが鉄則です。